演劇の冒頭のテンポが早い理由|人を没頭させる鋭敏化とは?

 

「観客は演劇の8割は耳で聴き、2割は目で見る」

 

アメリカのシナリオ講師の
ロバート・マッキーは自身の著書STORYの中で
このように発言しています。

 

つまり演劇では観客の心をつかむ為に
音を使って観客を没頭させる技

演劇には数多く含まれているんです。

 

今回は先週から配信しているチェーホフの「熊」から
実際にヒトラーの演説でも使われていた人心掌握術
紹介いたします。

 

演劇以外にも塾講師の講義や会社のプレゼン等にも
聞き手の集中力を維持するために使われている技
ですので、
参考にして頂けると幸いです。

 

(※因みに舞台でなく映像の場合は「耳が2割、目が8割」

 

※今回の記事は前回無料配信したラジオドラマ「熊」を基に
書いております。

まだ熊を聞いていない方は是非下記ページからご覧ください。

 

ラジオドラマ「熊」を無料で聴くなら

 

ラジオドラマ「熊」の出だしがハイテンポだった理由

 

今回のラジオドラマ「熊」。

 

「出だしが早口過ぎて話の内容を完全には理解できなかった…」
という方も結構多いのではないでしょうか?

 

実はここに心理学が隠されているんです。

 

最初に勢いよくテンポよく始める事で
現実世界と今見聞きしている演劇の世界を
区別する事ができるんです。

 

つまり演劇の世界観に引き込むことができるんですね。

 

具体的に全作品ではありませんが
殆どの演劇の冒頭部分は
観客がギリギリついていけるかいけないかぐらいのスピードで
物語を展開させる事が多いんです。

 

テンポの早い台詞で始まる舞台演劇とか、
見覚え有りませんか?

 

こうする事で観客の頭を活性化させる事が出来て、
本当に聞かせたい部分をゆっくり聞かせることで
印象に残せ易くなるんです。

 

今回のクマも同じ効果を狙っていて、
出だしはハイテンポで物語を展開させています。

 

因みにヒトラーも民衆を演説に引き込む為に
上記テクニックを使っていた
と言われています。

 

ハイテンポで演説し、
聞かせたい所は2秒ほど間をおいて
ゆっくり喋っていたんだそうです。

 

観劇者を演説の世界観に没頭させ、
間を活用して聞かせたい所に意識を集中させる。

 

後は感情論のやりとりで観劇者の感情を引き出す…
という点で演劇と似ていますよね。

 

眠くなる授業と眠くならない授業の違いは話すテンポにある?!

 

これは会社のプレゼンや塾の講義でも
よく使われているようです。

 

生徒が付いていけるか付いていけないかの
ギリギリのスピードで話すことで、
生徒は付いていこうと必死に話を聞こうとするので
集中力を維持する事ができるようです。

 

どういう事かというと、
人の脳の作りとして物事に慣れる「馴化」
意識を研ぎ澄ませる「鋭敏化」
2つの状態があります。

 

ゆっくりした誰でもついていけるような話し方だと
頭が慣れてしまって
そこまで脳を使わなくても頭に入ると
思い込んでしまうんです。

 

すると脳は楽をしたいので
無意識に節約状態(そこまで集中していない状態)に入ってしまうんです。

 

これが馴化です。

 

ですが、テンポが早くギリギリついていけるか
いけないかぐらいのスピードだと
脳を常に働かせていないと理解する事ができません。

 

この脳が活性している状態が鋭敏化です。

 

つまり聞き手を鋭敏化状態にするために、
テンポよく喋る方が多いんですね。

 

今回の熊の出だしも
かなりハイテンポでしたがついていけましたでしょうか?

 

是非もう一度聞いてみて下さい。

 

観客の感情を引き立たせる契事事件とは?!

 

冒頭部分ではテンポの他に
観劇者の感情を引き立たせる為に
演劇中に何かしらの契事事件
冒頭で起こるケースが多いです。

 

人目を惹き付ける出来事(ドラマ)が早い段階で起こらないと
聞き手の感情が離れて行ってしまいますからね。

 

今回の熊のケースで言うと、
終盤でクマのような荒ぶった大男が
家に訪問する所で話は終わりました。

 

この事が人目を惹き付ける契事事件に発展するのでしょうか?

 

その答えが次回6/22(土)に明らかになりますので、
次回も是非遊びに来てください。